藤井もとゆき国会レポート 令和3年6月号

ワクチン開発・生産体制強化の国家戦略

新型コロナウイルス感染症の患者が世界で初めて確認されてから1年半が経過しました。パンデミックは世界中に拡がり、人々の社会生活や経済活動に大きな影響を及ぼしています。他方、パンデミックの制御に有効な新型コロナウイルスワクチンの接種が進む、英国、米国、イスラエル等の諸外国では、感染症患者の減少により、社会生活の制限が緩和され経済活動が活性化する等、これまでの日常を取り戻しつつあります。国内でもワクチンの接種は進められていますが、国産ワクチンの開発が遅れ、当面は輸入ワクチンに頼らざるを得ない状況にあります。
政府は6月1日、こうした実情を踏まえ我が国のワクチン開発を滞らせた要因を明らかにし、解決に向けて政府が一体となって長期継続的に取り組む「ワクチン開発・生産体制強化戦略」を閣議決定しました。
この戦略の中で、新型コロナウイルス感染症への喫緊の対応として、「すでに先発のワクチンが使⽤されている中で第Ⅲ相試験の⼆重盲検試験のために数万件の被験者を確保することは困難であり、ICMRA(薬事規制当局国際連携組織)において、ワクチン接種後の⾎中中和抗体価の上昇など、補完的指標の活⽤について議論されており、最終的なコンセンサスが得られる前から、そのコンセンサスの⽅針を先取りして、国内企業での検証試験を開始し、速やかに完了できるよう、既定の予算措置ともあわせて政府として強⼒に支援する。」ことも記されています。
第Ⅲ相の大規模検証試験実施の困難さは今国会の委員会質疑で常々指摘してきたところであり、日本がICMRAに提案している大規模検証試験に代わる評価手法について、提案内容を先行実施し、その試験の適正さを国際的に示していくことも求めたところです。こうした内容が盛り込まれたことは、大いに歓迎したいと思います。

藤井基之ホームページ http://mfujii.gr.jp/

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